遺愛寺の鐘は枕を欹(そばだて)て聞き、 の雪は簾をかかげて見る (遺愛寺の鐘は枕を傾けて聞き、の雪は簾をはねあげて眺める) 引用:『白氏文集』 遺愛寺とは、中国南部の江州(九江市)にある寺で、は遺愛寺がある山のことでした。
13やはりこの中宮様にお仕えする者としては、ふさわしい人のようだ。 なほこの宮の人にはさべきなめり。 このお話は、白居易の漢詩の一節「香炉峰の雪は簾をかかげてみる」を下敷きにしたもので、中宮様が「香炉峰の雪はいかならむ」とお尋ねになった真意は、「簾をあげて外の雪を見たい」ということなのです。
人々も「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。 なので、定子様も直接自分の気持ちを伝えて 女房たちを叱責するような感じになるのではなく、 白居易を引用することで、言葉遊びのようにして自分の気持ちを伝えたのでしょう。 」と言ふ。
5また、基本の教養でもあった。 」とおっしゃるので、(他の女房に)御格子を上げさせ、(清少納言が)御簾を高くあげると、(中宮様は)お笑いになった。 さべき=「さ/べき」、しかるべき人、適当である人 さ=副詞、あるいはラ変の動詞「さり(然り)」の連体形が音便化したもの べき=適当の助動詞「べし」の連体形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。
12 この宮の人には、さべきなめりとは、誰がどうだというものか、わかりやすく記しなさい。 『枕草子』「雪のいと高う降りたるを」の現代語訳! 雪がとても高く降り積もっているので、いつもとは違って御格子をおろして、 雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、 囲炉裏に火をおこして、(女房達が)話などして集まってお仕えしていたところ、 炭櫃に火おこして、物語などして集まりさぶらふに、 「少納言よ、香炉峰の雪はどのようだろう。 風流である平安人であるならば、雪と言えば「香炉峰の雪」、「香炉峰の雪」と言えば「簾を上げて見る」、というように連想出来てこそ一流、というような話です。
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