少納言の 乳母 めのと とぞ人言ふめるは、この子の 後 うしろ 見 み なるべし。 酔い心地がいつもと違っていたからだろうか、何もしないのは残念であるし、女も若くなよやかで、強情な心もまだ持っていないのであろう。 中の柱に寄りゐて、脇息の上に経を置きて、 いとなやましげに読みゐたる尼君、ただ人と見えず。
17」と言って、尼君が見上げた顔に、少し似ているところがあるので、「その尼の子供なのだろう。 29 そがれたる ガ行四段動詞「そぐ」の未然形+受身の助動詞「る」の連用形+存続の助動詞「たり」の連体形。 「奉り」は謙譲語で、 持仏に対する敬意。
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