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時々読みかけてある本の上に涎(よだれ)をたらしている。 せんだって或る文学者のいる席でハリソンの歴史小説セオファーノの話(はな)しが出たから僕はあれは歴史小説の中(うち)で白眉(はくび)である。 夏目漱石『ザ・漱石』第三書館、1999年6月、増補新版。
この話の登場人物にはモデルがいると言われており、飼い主の苦沙弥は漱石自身がモデルです。 しかも吾輩の方で少しでも手出しをしようものなら 家内 ( かない )総がかりで追い廻して迫害を加える。 主人は夢の 裡 ( うち )まで水彩画の未練を 背負 ( しょ )ってあるいていると見える。
11迷亭 めいてい 苦沙弥の友人。 パラパラめくって、適当に読む…というスタイルでも全然OKだと思います。 飼われることになるまでのやり取りは実際に起こったこととされている。
17第一毛を以て装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶(やかん)だ。 これは前の書生より一層乱暴な方で吾輩を見るや否やいきなり頸筋(くびすじ)をつかんで表へ抛(ほう)り出した。 この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
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